比況の助動詞「ゴトシ」は近代になって、それ以前の時代にはなかった新しい用法を生み出している。それは、「ゴトケレバ」という活用形、「カリ活用」、翻訳に用いられた「用言連体形+か+の如く」の三つである。これらは恐らく江戸時代後期の漢文訓読の用法から生み出され、それが近代に引き継がれたものと考えられる
京都の市民のあいだに文学意識の高まりが認められるのは大正期に入ってからである。一九一八(大正七)年に初めて同人詩誌の創刊が見られ、一九二〇年には句詩『鹿笛』と『京鹿子』が相次いで創刊される。両誌とも高...
本稿では、『万葉集』における「ゆゑ」を用いた歌を取り上げ、特に逆接の意味に解釈されることがある歌を再検討することを通して、上代の「ゆゑ」の文法的性格を考える。上代の「ゆゑ」は、「ため」と同様に目標を示...
『枕草子』において、書に関する多くの記述がなされている。これは、書に造詣が深い清少納言ならではの書道観として、この時代の書風や様子を著しているのである。では、随筆である『枕草子』での書の扱われ方は、実...
漢語接辞「然」を構成要素とする二字漢語「-然」は、近代の国語辞書と小説において出現の様相が異なる。小説において字音語と熟字使用でゆれていたこと、会話での「-然」の多くは書生を中心とした教養層が用いるこ...
「ちょっと」が程度副詞として、文法上、「少量」「小程度」を表しているにもかかわらず、現実の場面の量・程度は小さくないという矛盾がしばしば観察される。この場合は現実の量・程度ではなく、それ以外のものを弱...
近代日本語における漢語の連体修飾形3種(「-の」「-なる」「-な」型)の勢力分布の推移を調べた。漢語93語を調査対象に、「-の」「-なる」「-な」型のコーパス内出現数の年代推移を調べ、推移のパターンを...
「ethics」の訳語である「倫理学」は、明治期に新しく定着した語である。その受容と展開をたどるには、「ethics=倫理学」と「国民道徳」の関係を明らかにすることが必要になる。本稿では、まず『明六雑...
日本語における漢語の中には、近代から現代にかけて、品詞用法に変化がみられる語が多くある(例 : 「帝王の暴虐が、頭腦に深刻せられ」)。現象自体はこれまでにも指摘されてきたが、個別の事例を指摘するにとど...
都市システムを分析することによって地域変化を解明することができるが,現在の青森県について分析する時,歴史的要因をも考慮に入れることが重要である。そのため,本稿では青森県における8市について,それらの昭...
西暦1814年に編まれた芙和辞書『諳厄利亜語林大成』と西暦1862年に市販された『英和対訳袖珍辞書』はオランダ語を介して邦訳が得られたとされてきた。しかし英語と日本語から見て多義であるオランダ語がある...
本論において、中古日本語における複合形式とは、過去を表すとされる単独形式「き」「けり」と完了を表すとされる単独形式「つ」「ぬ」「たり」「り」が組み合わさった「てき」「にき」「たりき」「りき」「てけり」...
紀州七里飛脚については、大正六年に発表された本庄栄治郎「飛脚の変遷」に、大名飛脚の一部として記されているのが最初の研究である。史料は明治三一年一二月緒言、同三四年完成、堀内信編「南紀徳川史」と、大正四...
本稿は,第三代京都府知事北垣国道(幼名晋太郎)が幕末にかかわった文久3年(1863)10月の生野の変でどのように行動をしたのかをあらためて検証しようとするものである。もちろん生野の変の北垣の行動は不明...
publisher奈良今日、木綿・絹・麻は、衣料の三大天然繊維として世界中の人々に重用されている。ところで、記紀等の日本最古の文献にも、それらはいずれも「神代」からの、稲にも並ぶ大切なものとされた記述...
旧仙台藩領を例として,明治前期における集落の規模,数,機能の相互関係に及ぼす近世の影響について考察した。順位規模曲線によれば旧城下町仙台の優位性はうかがわれるが,地方知行制が行われていたため小城下町的...
京都の市民のあいだに文学意識の高まりが認められるのは大正期に入ってからである。一九一八(大正七)年に初めて同人詩誌の創刊が見られ、一九二〇年には句詩『鹿笛』と『京鹿子』が相次いで創刊される。両誌とも高...
本稿では、『万葉集』における「ゆゑ」を用いた歌を取り上げ、特に逆接の意味に解釈されることがある歌を再検討することを通して、上代の「ゆゑ」の文法的性格を考える。上代の「ゆゑ」は、「ため」と同様に目標を示...
『枕草子』において、書に関する多くの記述がなされている。これは、書に造詣が深い清少納言ならではの書道観として、この時代の書風や様子を著しているのである。では、随筆である『枕草子』での書の扱われ方は、実...
漢語接辞「然」を構成要素とする二字漢語「-然」は、近代の国語辞書と小説において出現の様相が異なる。小説において字音語と熟字使用でゆれていたこと、会話での「-然」の多くは書生を中心とした教養層が用いるこ...
「ちょっと」が程度副詞として、文法上、「少量」「小程度」を表しているにもかかわらず、現実の場面の量・程度は小さくないという矛盾がしばしば観察される。この場合は現実の量・程度ではなく、それ以外のものを弱...
近代日本語における漢語の連体修飾形3種(「-の」「-なる」「-な」型)の勢力分布の推移を調べた。漢語93語を調査対象に、「-の」「-なる」「-な」型のコーパス内出現数の年代推移を調べ、推移のパターンを...
「ethics」の訳語である「倫理学」は、明治期に新しく定着した語である。その受容と展開をたどるには、「ethics=倫理学」と「国民道徳」の関係を明らかにすることが必要になる。本稿では、まず『明六雑...
日本語における漢語の中には、近代から現代にかけて、品詞用法に変化がみられる語が多くある(例 : 「帝王の暴虐が、頭腦に深刻せられ」)。現象自体はこれまでにも指摘されてきたが、個別の事例を指摘するにとど...
都市システムを分析することによって地域変化を解明することができるが,現在の青森県について分析する時,歴史的要因をも考慮に入れることが重要である。そのため,本稿では青森県における8市について,それらの昭...
西暦1814年に編まれた芙和辞書『諳厄利亜語林大成』と西暦1862年に市販された『英和対訳袖珍辞書』はオランダ語を介して邦訳が得られたとされてきた。しかし英語と日本語から見て多義であるオランダ語がある...
本論において、中古日本語における複合形式とは、過去を表すとされる単独形式「き」「けり」と完了を表すとされる単独形式「つ」「ぬ」「たり」「り」が組み合わさった「てき」「にき」「たりき」「りき」「てけり」...
紀州七里飛脚については、大正六年に発表された本庄栄治郎「飛脚の変遷」に、大名飛脚の一部として記されているのが最初の研究である。史料は明治三一年一二月緒言、同三四年完成、堀内信編「南紀徳川史」と、大正四...
本稿は,第三代京都府知事北垣国道(幼名晋太郎)が幕末にかかわった文久3年(1863)10月の生野の変でどのように行動をしたのかをあらためて検証しようとするものである。もちろん生野の変の北垣の行動は不明...
publisher奈良今日、木綿・絹・麻は、衣料の三大天然繊維として世界中の人々に重用されている。ところで、記紀等の日本最古の文献にも、それらはいずれも「神代」からの、稲にも並ぶ大切なものとされた記述...
旧仙台藩領を例として,明治前期における集落の規模,数,機能の相互関係に及ぼす近世の影響について考察した。順位規模曲線によれば旧城下町仙台の優位性はうかがわれるが,地方知行制が行われていたため小城下町的...
京都の市民のあいだに文学意識の高まりが認められるのは大正期に入ってからである。一九一八(大正七)年に初めて同人詩誌の創刊が見られ、一九二〇年には句詩『鹿笛』と『京鹿子』が相次いで創刊される。両誌とも高...
本稿では、『万葉集』における「ゆゑ」を用いた歌を取り上げ、特に逆接の意味に解釈されることがある歌を再検討することを通して、上代の「ゆゑ」の文法的性格を考える。上代の「ゆゑ」は、「ため」と同様に目標を示...
『枕草子』において、書に関する多くの記述がなされている。これは、書に造詣が深い清少納言ならではの書道観として、この時代の書風や様子を著しているのである。では、随筆である『枕草子』での書の扱われ方は、実...